image12月に入って、2週間あまり(18日金曜まで)で、ダウは591ドルの下落。また、S&P500指数は、3.6%も下げている。

年初来でもダウはマイナス3.9%。SP500もマイナス2.6%。

アメリカ個人投資家協会によれば、今後6か月間の相場について、強気な人が、23.9%で 7月以来最低。逆に、弱気な人は39.4%で、9月以来、最も高くなった。

その背景には、果たして、利上げ局面に、アメリカの経済のファンダメンタルズが耐えきれるのかーという懸念がある。

実際、9年半ぶりに決定された利上げの翌日に発表された、フィラデルフィア連銀製造業景気指数は、市場のプラスの予想(プラス2)に反して、マイナス5.9。

内訳を見ても、今後の動向を示唆する「新規受注」が、前の月から、さらに下がって、マイナス9.5。また、さらには、6か月後の景況見通しも20ポイント以上も低下している。

利上げによって、さらに今後、ドル高に振れれば、輸出依存度が高い製造業は厳しい。GDPに占める割合は、サービス業に対して小さいとはいえ、経済のバックボーンに当たる製造業が急減速すれば、景気全般に対するダメージも大きいーという不安感も台頭している。

さらに最近のアメリカ株式相場が大きく下げているのは、原油先物相場の急落が止まらず、これが相当な重石になっていることも大きな要因だ。

国内外の供給過多、世界の景気停滞による需要の低迷観測の影響で、NY原油先物相場は、6年10か月ぶりの安値である、1バレル、34ドル73セントで終了。

ゴールドマンサックスは、20ドルまで底打ちはしない可能性があるとして、今の水準からさらに40%も下げるシナリオも想定している。

もしそうなれば、世界的な景気後退懸念が拡大し、アメリカFRBの利上げペースの大幅変更(追加利上げの先送り、あるいは停止も)にも繋がる可能性はある。 今は投資家のセンチメントにプラスをもたらす要因は少なく、しばらく、アメリカの株式相場にとっては辛抱の時期を迎えそうだ。



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